新卒就職でプラントエンジを選ぶと良い理由

プラントネタ

こんにちはかみやです!

今日は新卒で入社したプラントエンジ会社を離れましたということで,これまでの経験を振り返りながら,読者,特に就職を検討されている方々に私がプラントエンジ業界で働けて良かったと感じる理由についてお伝えします。

簡単に筆者のプロフィールだけ記載しておきます。

  • 化学工学専攻
  • 20歳代プラントエンジ大手のプロセスエンジニア
  • 就活ではプラントエンジ会社5社を受け5社とも合格。

それではいきましょう~!

エントリーシート

この投稿をするにあたって,まず私が就職活動をした当時のESを振り返ってみました。

以下一部まとめです。

大規模プラント建設に携わりたいからです。プロセス設計には全体の最適化が大切で,その達成時に仲間と得られた喜びは格別でした。各々の案件で生じる困難を仲間と共に乗り越えたいです。プラント建設の達成感は、過去の設計で味わった喜びを超えると信じており、その感動を仲間と共有したく思います。

プロセスエンジニアを希望する理由は、自身の知識・経験をさらに蓄えると共に、「世界最短のプラント建設とその性能保証」を念頭に、培った知識をプロセス設計で存分に発揮したいからです。加えて、現場立会で設計通りの据付の確認を行うと同時に、現場での会話を通して作業効率や安全性にも配慮するエンジニアと成るべく、海外現場経験も得たく思います。

かみやんエントリーシートを編集

何年か振りに自分のESを見返してみると,当時の自分の姿が思い出されて懐かしい気持ちになります。

当時の私は大学で化学工学を専攻したので,学んだ知識を活かしてプロセス設計をしたい,というところを全面的に押し出していました!

入社前のイメージ・野望

さて,入社前に私が思い描いていたイメージは次のような感じです。

  • PROIIやHYSYSなどのプロセスシミュレータを使ってプラントの設計を行うスマートなエンジニア
  • エクセルよりもシミュレータを使うようなスマートなエンジニア
  • 最上流設計部署であるが故の花形部署
  • 設計したプラントは現場に行き据付・運転まで面倒を見る
  • 30歳で社内最速プロセスリードエンジニアになるくらいまで業務に励む!

このイメージが合っていたか,そうでなかったかについては,後のセクションで分析したいと思いますので,一旦ここで実際の業務内容を一部抜粋してみましょう!

実際の業務内容

簡単な業務紹介
  • 1年目
    新入社員研修

    社内設計ツール勉強

  • 初めてのJOB

    ラインリストと呼ばれる配管1本1本に設計温度圧力や運転条件を入れ込む。エクセル2000行。1か月間。バルクワークの洗礼を浴びる。

  • 建設現場赴任

    工事進捗管理。現場据付でのトラブル解決。「プラント」という製品のイメージや「プラント」を作るという工程のイメージを得る。

  • 2年目~
    化学プラントEPC

    タンクなど静機器の基本設計。
    ハイドローリックと呼ばれる流体の流れ計算。
    P&IDと呼ばれる配管や計装機器の図面を完成させる作業。

  • 石油精製プラントの改造検討

    プロセスシミュレータを使った検討。
    多くの装置が連なった石油精製プラントの構造を知る。

  • 石油精製プラントEPC

石油精製プラントのEPCでは,見積時にプロセスシミュレータを回したシニアエンジニアが,他のジョブの作業に忙しかったため,実質私がエリアのリードエンジニア役でした。

周りのエンジニアに比べて自分が一番若く,非常に責任と負荷のある役でした。しかし実際かなり成長することができました。EPC業務の一部始終を経験できたし,プロセスエンジニアとしての立ち回り方も体得できました。

一回も作ったことのない成果物を,自分よりも若いエンジニアに作成してもらい,自分がレビュアーとなるため,数倍勉強時間が必要でしたし,数倍チェックにも気を配りました。同年代エンジニアに比べてEPC遂行に関してはできるようになった自信があります。  

ワクワクした瞬間。働いて感じた良さ。

ということで,私の業務内容を大分短く簡潔に書きました。 業務を通して,感じたことを書いてみます。

  • やっぱり楽しい!基本設計については,大学で学んだ化学工学がフルに活かせたので,専門知識と仕事が直結しており,仕事それ自体が非常にやりがいのあるもので向上心を掻き立てられました。
  • 数千億円のビッグJOBの設計に対する高揚感。スケールが大きい!
  • 各分野にスペシャリストエンジニアがいるため,何か困ったこと,わからないことがあれば,必ずアドバイスがもらえる環境にある。
  • それぞれの分野での最新技術を紹介するような集会や勉強会があり,人財マネジメントが素晴らしい。

自分の強みを知る

それではなぜ私がプラントエンジのプロセスエンジニアから一旦離れようと思ったかについて書きたいと思います。それは,会社に不満があったのではなく,ひとえに自分のなりたい将来像と今の仕事に差があったからです。

かみやんさん
かみやんさん

あくまで私個人のキャリアパスですので,一つの考えです

プロジェクト遂行能力

私の強みは,業務の数手先を見越して後輩エンジニアに指示を出したり,年次に関わらず関連部署をも動したりできる,そのコミュニケーション能力と業務遂行能力です。また締切から逆算して,チーム全体のワークロードを考えるスケジュール管理能力もあります。

したがって私は,自ら前に出て,客先との技術的なコミュニケーションや,お金に関する話をする機会を持ちながらプロジェクトを進められる職種に就きたいと考えるようになりました。具体的には,プロジェクトマネジメント部や事業創出系の職種に,より強い関心があることに気づいた,ということです。

要点を押さえた設計感覚

また,私のさらなる強みは,運転性能に関わるような,極めて重要な設計ポイントを押さえる勘所といった,ハイレベル(高い視点)からの設計感覚です。

細部にまで注意が必要な,エクセル入力作業や図面修正の水平展開は,私の苦手とするところでもあります。

有名マーケッター森岡毅さんの著書「苦しかっときの話をしようか」の中に,

成功は自分の強みからしか生まれない

森岡毅さん著「苦しかったときの話をしようか」

といった言葉があります。また,

この社会では自分の最大の強み一つに集中する人間が勝っていく。弱みを克服するのに時間を使うのではなく,時間は全て強みを磨くことに使うべきだ。

という考え方に非常に共感しました。

従って,私の場合は技術的感覚を身に着けた事業創出に携わることが,自らの価値を最大限発揮できると考えた訳です。

もう一度就活できたら

以上ありのままに書いてきましたが,私がもう一度就活するならば,どうしたでしょうか。

私はやはり,プラントエンジ会社に入社していたと思います。

理由は,兎にも角にも,化学工学という学問が好きだからです。

そして,自らのキャリアパスにコアとなる技術を身に着けられるからです。

私の場合は,化学工学を専攻して,プラントエンジ会社で一つのユニットのEPC業務をけん引し,米国のプロフェッショナルエンジニアに認定されるという,一貫したコアスキルを身に着けることができました。

もちろん大変な時期もありましたが,20歳代でこのレベルまで来れたことは非常に満足しています。そして,自らの強みを知ることもできました。

私の場合は,このブログの理念にもありますように,技術的知識を基に新しいビジネスチャンスに関わりたい,という自分のキャリアパスを見つけることができました。

就活生に送る言葉

プラントエンジ業界は技術力に富んだ非常に面白い会社です。

持続可能な社会実現に向けて,プラントエンジ会社は自社の存続をかけて,新規事業の開拓に奮闘しています。DX推進や人財開発にも力を入れていますので,ますます面白い業界になるでしょう。

ただ,人材開発に関しては,自己啓発が重要です。

私に米国PEを取ることを進めてくださった先輩はおりません。自分で考えて取った行動です。自分の将来を見据えて,必要な自己啓発は会社に任せずに自らの意志で行ってください。

リードエンジニアになるには15年が必要だと書きましたが,15年あれば必ずなれるという保証はありません。並々ならない努力が必要だと思います。それは近くでリードエンジニアと仕事をしてきた私はひしひしと感じます。

プラント業界に関して言えば,今は過渡期であり,従来の何千行にもわたるエクセルへのデータ入力を減らそうとしてはいるものの,一方で他のデータウェアハウスへのデータ入力が多くなっており,結果として作業量は減っていない,というような状況です。

その現状はマネジャーも認識しているため,すぐに改善されるでしょう。なのでバルクワークは嫌なのでプラントエンジ業界を避けるのは尚早ですよ。

世界の課題解決,国々の発展のために,プラントという商品を通して貢献できる,またそのスケールの大きさは格別です。非常にやりがいがあり楽しさがあります。

ぜひ就職活動の一つの候補にしてみてください。

さいごに

いかがだったでしょうか?

プラントエンジ業界について少しはイメージが湧いたでしょうか?

私にとっても,一つの区切りの時期ということで,自分を振り返るといった意味で有益な記事になりました。

今回は内側からプラント業界を見ましたが,プラント業界を外から俯瞰するような記事も今後は書いていけたら良いと考えています。

それではまた次の記事でお会いしましょう!

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