【中小企業診断士】企業経営理論の経営戦略のまとめ

中小企業診断士

こんにちはKamiyanです!

皆さん調子はいかがでしょうか?私は徐々にですが企業経営理論の学習が進んできました。

そこで今回は,一次試験の重要論点をまとめてみたいと思います!

文量がとても多くなってしまうので,今回は企業経営理論の経営戦略編に留めさせていただきます。組織論とマーケティング論は別記事でまとめることを予定していますのでお楽しみに!

そして二次試験を意識した学習のために,必要な知識の紐づけについても散りばめていきます。

かみやんさん
かみやんさん

一次試験対策の間から二次試験を意識していきましょう!

効率の良い勉強方法の一助になればと思いますので,是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。

なお本記事作成にあたっては,TACのテキストと,二次試験対策として「全知識」を一部参考にしています。

それではよろしくお願いします!

経営戦略の体系図

この章の体系図と重要度を私なりにまとめてみました。

図中で重要度を①から⑤までの5段階評価で⑤が最も重要度が高いと考えています。二次試験でも使う論点は星を付けて強調しました。

ここから先は体系図の章立てに沿って,各論点ごとに説明を述べていきます。

体系図参照元:TAC基本講義テキスト(2022年度合格目標)

企業活動と経営戦略の全体概要

序章なので重要論点はありません。この章は気楽に流していきたいです。

  • 企業活動
  • 経営戦略
  • 経営管理

経営戦略では,経営理念,環境分析,経営計画がキーワードになります。

環境分析において,SWOT分析は二次試験では必須ですが,一次試験ではさほど重要ではありません。

経営管理も同様です。企業にとってPDCAサイクルを回すことは重要ですが,本試験では出題されていないと思います。出題傾向分析表にも入っていませんでした。

事業戦略

マイケルポーターの競争戦略論が重要論点です。

5フォースモデルの中の(vs競合他社)においては,下の3ポイントが重要です。

  • 同業他社との敵対関係で価格競争が激しくなる要素
  • 競争回避の戦略(参入障壁,経験曲線効果)
  • 競争優位の戦略(差別化戦略,コストリーダーシップ戦略,集中戦略)

一次試験では上の知識を覚えておけばよいのですが,二次試験ではこの知識を基にB社の戦略を考える力が必要になります。

例えば,二次試験事例IIにおいて,

低価格販売を行う競合店(コストリーダーシップ戦略)が存在している場合を考えてみましょう。

B社社長
B社社長

我が社はどのような策をとるべきだろうか?

Answer

競合店が真似(模倣)できない差別優位性を発揮して,B社に優位性がある限られた領域に経営資源を集中させるために,B社の強みを活かした差別化集中戦略を採る。売上向上を達成して経営目標の実現を図る。

といったことを考えていきます。上記はあくまで思考プロセスのスタートです。

ひらめきくん
ひらめきくん

一次試験の選択肢文章を自分で考えていく,という風に考えれば選択肢を見る目も変わってくるかもしれませんね!

また,これは別論点になりますが,競争地位別戦略(リーダー,チャレンジャー,フォロワー,ニッチャー)は直近5年間では出題されていないようです。私自身は好きな論点になりますが,力を入れて取り組む必要はないでしょう。

ちなみに,「ニッチ戦略」という言葉を見かけることがありますが,これはポーターの差別化集中戦略と同じ意味だと考えておけば良さそうです。参考までに。

企業戦略

経営戦略編において,最重要な章はこの企業戦略でしょう。

以下6つの節に分けて,それぞれ重要論点について見解を述べていきます。

  • ドメイン
  • リソースベースドビュー
  • 製品・市場マトリックス
  • 多角化戦略
  • PPM(Product Portfolio Management)
  • 外部組織との連携

ドメイン

以下3点が重要論点になります。

  • 企業ドメインと事業ドメインの区別
  • 事業ドメインに関して,エーベルの3要素(顧客機能技術
  • 物理的定義と帰納的定義

一次試験ではこれらの用語の使い分けについて押さえておけばバッチリでしょう。

なので二次試験について少し追記していきます。

エーベルの3要素はテキストでも目立つことなく書かれている内容ですが,私はこの3要素は結構大事だと考えています。

なぜなら,戦略を考える際のフレームワークとして,

どんな顧客に(誰に),どんな機能を(何を),どのような技術に基づいて(どのように)

が切り口になる場合があるからです。したがってこのエーベルの3要素は一次試験よりも二次試験の観点から重要論点として入れています!

また言葉の定義のような話になるかもしれませんが,「ドメインを定める」という点が二次試験でもポイントになるようです。

ひらめきくん
ひらめきくん

「ドメインを定める利点」皆さんわかりますか?

  • 企業のアイデンティティの明確化
  • 意思決定者の注意の焦点の明確化
  • 必要な経営資源見定めの明確化
  • 組織の一体感
  • 展開する事業の無秩序化防止

といった点が大事な要素になってくるようです。

ひがしくん
ひがしくん

ドメインを定めることが組織の一体感につながる,って日頃なかなか感じひんわ(笑)

一次試験勉強中には,「ドメイン=事業領域」とさらっと理解するに留まり,深くは考えないかたも多いと思いましたので,自戒の意味も込めて書かせていただきました。

皆さんも一次試験の解答選択肢を見る際にも,この観点からチェックしてみてください!

リソースベースドビュー

この節では2点に注目しました。

  • VRIO分析
  • ケイパビリティとコアコンピタンス

VRIO分析では,

  • 模倣困難性の規定要因
  • VRIOそれぞれの要素と,競争優位の持続性

について押さえておきましょう。

コアコンピタンスは事例IIでのSWOT分析においてB社の強みに直結しますので重要語彙です。

製品・市場マトリックス

ここでは最近の二次試験でも出題されたアンゾフの成長戦略が重要です。

ちなみに,企業経営理論で戦略が問われた際には,アンゾフの成長戦略(企業戦略の範囲)ないしはポーターの競争戦略(事業戦略の範囲)から考え始めます。多角化戦略もアンゾフの成長戦略の内の一つですから,まず大きな切り口から覚えて,徐々にブレイクダウンしていきましょう。

中小企業庁 https://mirasapo-plus.go.jp/hint/15043/
受験生
受験生

新商品開発戦略や新市場開拓戦略,また多角化では大手企業との競争になる可能性が高いから,B社にとっては,市場浸透戦略が最も重要な戦略である場合が多いかもしれない。

といったことを頭に思い浮かべながら,事例IIにおいては,B社がどの戦略をとってきたか,今後は市場浸透戦略を提言すべきか,の視点を持って問題本文を読むことが有効だと思います。

アンゾフの成長戦略は,一次試験では直近5年間で1回しか出ていませんが,二次試験では大事な考え方なので必ず押さえましょう。

多角化戦略

一次試験での重要キーワードは,シナジー範囲の経済です。

一方で,二次試験では,この多角化戦略,かなり深いところまで押さえる必要があります。

具体的には以下に示すように,メリット・デメリットを覚えましょう。

  • 組織スラックの活用
    ヒト・モノ・カネのリソースに余裕があるばあい,未利用資源がある場合には有効活用ができます。
  • 既存事業とのシナジ
  • リスク分散
    ポートフォリオ効果です。環境変化に対応し成長機会を追求できる。新規事業を行うことで収益のリスク分散が図れる。
  • シナジーが薄い分野への進出による経営資源分散
    無関連分野に多角化した場合、シナジー効果が得られず資源の投資効果が低下する恐れあり。多角化に失敗した場合、既存事業が影響を受ける恐れ。

PPM

PPMは特に難しい論点ではないので,以下3点を早めに覚えてしまいましょう。

  • グラフ縦軸が市場成長率,横軸が市場占有率
    市場成長率大でお金の流出も大。市場占有率大でお金の流入も大。
    盲点として,相対的市場占有率=「自社シェア÷自社を除く最大競争相手のシェア」です。
  • 問題児 -> 花形 -> 金のなる木
  • 負け犬は撤退

外部組織との連携

一次試験では,

  • 垂直的統合と水平的統合
  • M&Aに関する用語

で学習が終わってしまう節ですが,二次試験ではかなり重要な論点となってきます。

中でも,M&Aとアウトソーシングが大事だと考えています。

M&A
買収したい男性
買収したい男性

買収する側のメリット・デメリットは?

  • 企業規模拡大による規模の経済を享受可能
  • 事業規模拡大等を短期間に実現可能
  • 期間で事業ノウハウや資源・顧客基盤が入手可能
  • 組織構造、人事制度、組織文化が異なるので、買収後の体制・制度の統合が困難
  • 経営方針の変更で、人材流出・顧客離れが生じる恐れ有
売却したい女性
売却したい女性

売却する側のメリット・デメリットはなんでしょう?

  • コア事業に集中する資金が得られる
  • 買収段階では従業員の雇用確保
  • 従業員の雇用確保
  • 社員のモラール低下
  • 買収された後にリストラ対象にされやすい
  • 労働条件・労働環境の変化が生じる恐れ有

です。それぞれの立場でポイントが変わってきますので,日頃ニュースを見る時から,上で挙げられた点を意識してみたいところです。

アウトソーシング

もう一点,アウトソーシング(外注)についても見ておきましょう。

  • 外部活用によるコストダウン
  • 経営資源のコア業務集中により売上高向上
  • ノウハウが蓄積しない
  • 技術情報漏洩リスク

留意点としては,アウトソーシングを単純に安い,と決めつけないことです。

自社で行う場合の初期設備投資が不要となり,固定資産などの財務リスクを負わなくて済むため,コストダウンにつながることが多い。と理解しておきましょう。

技術経営

技術経営はManagement Of Technology(MOT)と呼ばれ,MBAよりも研究開発に近いところで,研究開発を事業化につなげる策に焦点を当てた学問で,エンジニアである私には非常に興味深い領域でもあります。

しかしながら,二次試験ではあまり取り上げられることはなく,一次試験では以下重要語句について押さえておけばよろしいかと思います。

  • イノベーション
    破壊的イノベーションに対応できなくなるイノベーションジレンマ
  • 製品アーキテクチャ
    モジュール型とインテグラル型の違い
  • デファクトスタンダード
    ネットワーク外部性とクリティカルマス
  • ベンチャー企業のマネジメント
    魔の川死の谷ダーウィンの海

社会的責任とガバナンス

この章は企業の社会的責任とコーポレートガバナンスの2つの節にわかれますが,他の章と比較して重要論点はありませんので,割愛します。SDGsなど,昨今よく耳にする用語だけさらっとチェックするようにして,後は出たとこ勝負がよろしいかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

  • 本試験は満点を取る試験ではない
  • 重要論点を早く押さえて,過去問演習に入る
  • 二次試験で必要な知識の習得を早めにスタートさせ,一次試験後にスタートダッシュを切れるようにする

といった勉強の進め方が効率的でよろしいかと考えています。

さて,次回・次々回は組織論,マーケティング編を予定しています。

今回参考になった!という方は是非次回の記事も読んでいただけると幸いです。

それではまた!引き続き勉強頑張っていきましょう~!

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