こんにちは!かみやんです。
私は令和4年度の診断士試験を受験しました。このブログは2次試験が終わって直ぐのホットな感情で診断士試験を振り返り、自身の新たな目標へと切り替えるために書いています。合格発表の前なので合否は分かっていませんが、合否が分からない今だからこそ、冷静に分析できることもあると思いました。
この記事を読めば、私が2年間の勉強から感じたことから、学習目標や受験の意義が見つかるかもしれません。ざっくりとでも目を通してもらえると良いと思います。
一応私のこれまでの経歴を一応書いておいてから、スタートです!よろしくお願いします。
- 院卒化学工学専攻
- 新卒でプラントエンジ大手のプロセスエンジニア
- 現在は官組織でカーボンニュートラルに向けた取組み
学習を始めた背景
私は大学で化学工学を学び入社後も一貫して設計業務に携わってきました。診断士試験に出会ったのは、今から2年程前です。当時の私は、エンジニアとして数式や図面と睨めっこの生活で、日々の業務自体と、国際情勢・政治・金融とは直接的な関連はなかったため、新聞や社会動向についてあまり関心がありませんでした。
ですので、文系(経済学部や法学部)の大学来の友人が話すそういった話題に追いていけず、無知への羞恥心や焦りを感じることもありました。しかし、何を・どのように勉強すれば良いかわからず、結局後回しにしていました。
加えて、いつかは設計業務から事業開発部署に異動したいと漠然と考えており、同部署では社会ニーズや動向を理解し予測しながら、施策を立案する能力が必要だと感じていました。しかしやっぱり、その能力開発の仕方が分からず後回しになっていました。
その時に出会ったのが経営コンサルの資格である診断士でした。
米国PEライセンスを取得した頃だったので、自己研鑽のために技術系ではない資格を探していた状況でした。短絡的に、「事業開発」から「企業経営」「財務会計」を想起し、この資格勉強に飛びつきました。最終的に診断士学習を開始した理由としては、数ある資格の内から選りすぐって診断士に決めた訳ではなく、単に興味のある科目名があったことと、よく知る先輩診断士及び診断士会がある程度には社内のサポート体制が充実していたことが要因だったと感じています。
今、どう活かしているか
結果として、勿論合格していて欲しいですが、診断士の合格不合格に関わらず、2年弱勉強して良かったと感じています。
今の業務に直接関係する科目と、直接は関係しないですが人間性・知識の幅を広げてくれた科目の2つに分けて述べましょう。
業務に直接関係する科目
事業開発では委託先や共同研究・開発先の企業について知る・分析する必要があります。協業先の財務諸表や組織体制を評価することもあります。また、提案書及び報告書や、打合せにて評価を述べる機会も多いです。この際、事例IVの知識や事例Iで学習した内容が土台となってくれていると感じます。協業先の貸借対照表からその会社の安全性を評価できる程度までには財務知識の習得ができたことに満足しています。加えて、100字程度で因果を含んだ骨子で分析及び助言する2次の筆記試験は、端的に考えを述べる訓練になり、且つ表現の幅を広げてくれました。(一般に上司への説明は端的に述べるのがセオリーです。気になった点があれば上司から質問が来ます。)
また、経営法務の学習は、知財関連部署や法務部署との業務に役立ちました。個人的印象ですが、知財や法務の話になると、途端に専門部署に任せ、受領したコメントを反映させて終わる若手が多いように感じます。しかしそれでは成長できません。知財管理や契約書についても一定知識がある人材は需要があり、上司からの信頼も厚くなります。
理由は、私が上司ならそのような部下の方が優秀だと思うからです。というのは語弊がありますが、自分の専門と違う分野で、専門家と話ができるということは、自己研鑽ないしは(業務外でも)自分の時間を使って学習した、ということが予測できます。その学習が評価されない訳はありません、ということです。
企業経営理論では大きく①経営戦略②組織論③マーケティングの3つの論点に分かれていますが、この内の経営戦略と組織論については会社で働いているとかなり役立ちます。持続可能な社会への過渡期の今、各企業変革を遂げようと事業領域の見直しや組織再編をしています。私の勤務先もそうです。
「組織は変革に従う」という有名な言葉がありますが、経営目標の達成のために、組織構造を変え変革を試みる場合には、必ず抵抗が生じるため、トップマネジメントがFace to Faceで丁寧に説明する、なんていう事例Iでよく出る展開がまさに実際の企業では起きている訳です。コロナ禍を起点に世界が変わろうとしているこのタイミングにマネジメント層の行動や考えを少しでもトレースするための基礎知識を、企業経営理論は与えてくれました。
組織論に話を広げましょう。
年功序列が当然だった日本社会でも今では転職が不思議ではなくなってきています。企業も優秀な人材を社内に定着させるため、報酬の観点も見直ししていますが限界があるようで、如何に内的動機付けに訴求するかという点を重視しているように感じます。面談の回数を増やしてフィードバックの回数を増やしたり、上司とキャリアについて考える時間を増やしたりという変化が見られます。
私は後輩の育成の際に、モチベーション理論を参考にしたところがありました。後輩と作業の特性を考えて、後輩にどのように仕事を進めてもらおうか、且つその補助や指導法について、パスゴール理論は役に立ちました。
直接関係はしないが勉強して良かった科目
経済学・経済政策です。いつ何度きかれても経済と答えると思います。
世の中の動きを知りたい、知ることが面白い、と思うようになったきっかけの科目です。この科目はミクロ経済学とマクロ経済学に分かれますが、特にマクロ経済学は良かったです。
理由は、米国でのコロナ禍収束からの需要回復とウクライナ問題によるインフレが進んでいますが、その対応策としてFRBが金利を上げようとする理由もマクロ経済で学べました。(わからない!気になる!という方こそ診断士学習を始めてみては如何でしょうか)
ウクライナ問題でのヨーロッパでのエネルギー不足問題でのLNG需要増や原油価格高騰は私の勤務先への影響がかなり大きいです。世の中の動きを自分で分析するための基礎知識になってくれています。
そうして診断士学習中からTBSの朝の情報番組「モーニングサテライト」を見ることが習慣になりました。それまでの「世の中の動きとか自分に関係ないし、設計能力だけ付けていけば大丈夫」と考えていた私からは明らかに変われた気がしており、今後も知識をさらに深めたいです。
まとめ
今は30歳に近いですので、上で述べたような知識の習得が早かったとは言えないかもしれません。それでも手遅れにならない内に、集中して体系的に身に付けられました。
今後どのようなキャリアに進んでも活用できると思いますし、これは読者皆様にも同じことが言えると思います。
たとえ喫緊の必要スキルでなくても、私のようにその内突然機会が訪れることがあります。そのチャンスを逃さず獲得するためには、事前に準備しておくが必要なのです。
と熱弁して参りましたが、今は2次試験受験後で合格発表前なので、合否は分かりません。合否が分かった後だと、また違う考えが加わってしまうと思ったので、診断士学習をして良かったことを記録として残しておけて、私も良かったです。
この記事が少しでも参考になれば幸いですし、私と将来への不安を持っていたり、技術だけ追い求めている方は、一度ご自身のキャリアについて考えてみて、少しでも診断士が助けになるならば、是非挑戦してみて下さい。後悔はしないと思いますよ。
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