皆さんこんにちは、かみやです。
イギリスではHigh Potential Individual Visaという、世界トップレベル大学卒業生に対して、学位授与日から5年以内に申請することで、学部・修士には2年間、博士には3年間、英国内で就労できる就労ビザが2022年5月から開始しました。このHPIビザについては、就職先未定の状態でも申請ができる点もひとつの魅力になります。
今回、私かみやもHPIビザを申請しました。かみやは修士卒です。インターネット上では、YMSビザに関する情報は、ワーホリネット様のWebsiteを中心に、非常に充実しています。私もワーホリネット様のWebsiteを大変参考にさせて頂きながら、適宜HPIビザに適用させていきました。一方で、今後HPIビザを志す皆さまが私のような不安を感じずに済むように体験ブログを残しておきたい、と切に感じましたので、これからブログを書きます。
是非参考にして、イギリス行の切符を獲得して下さい。
Disclamerになりますが、本ブログに掲載した方法で申請が上手くいかなかった場合でも、当ブログでは一切責任を負えません。その点ご了承ください。
必要な書類
必要な書類について述べます。
Ecctis
日本人が、英国外の大学を卒業した場合、英国の学位認定機関EcctisのVerificationを受ける必要があります。このEcctisのVerificationに必要な書類は下です。いずれも英語記載が必須になり、英語版が大学から提供されない場合には、ご自身で翻訳会社に依頼する必要があるでしょう。幸い私の大学には英語版シラバスがあったため、受講した科目をPDFから切り抜いてまとめたものを提出しました。大学から卒業証明書を取り寄せる作業もありますので、淡々と作業を進めましょう。
- Certificate Bachelor
- Certificate Master
- Transcript Bachelor
- Transcript Master
- Syllabus Bachelor
- Syllabus Master
- UK Gov. Websiteで指定の英語テストで基準をクリアしたもの。筆者はIELTS for UKVI Academicを受験。(Generalでも構わなしと思うが確証はない。)
さて、このEcctisで注意すべきことがあります。それは、EcctisのWebsiteでVerificationの内容を選ぶ際に、
- High Potential Individual with English Proficiency
- High Potential Individual
の2つがあります。ここで日本人で、全ての授業が英語で行われた大学に通っていない場合、Englsih Proficiencyはつきません。従ってほとんどの日本人はHigh Potential Individualを選択することになるでしょう。私は、誤ってEnglish Proficiencyを選択し、担当者から書類不備の連絡が来ました。この点について、2週間以上やりとりを重ねてようやく自分が間違っていたことに理解しました。チャット形式で質問ができますが、時差と2営業日中の返信で、非常にフラストレーションが溜まりました。
確実なことはご自身で調べて頂きたいですが。英語要件はHPIビザ申請の段階では必要です、Reference numberを入力します。一方で下記Requirementを見ると、Eccticsでの学位認定の段階では、Englsih Proficiency無しの場合、英語スコアの提出は不要でも良いかもしれません。
- Final certificate(s) in their original language
- Official Transcript(s) in their original language (we cannot accept student versions)
- Certified translations of your documents, if not in English
- Passport / Photo ID
- Proof of name change, if your current name does not match the name on your qualification documents.
EccticsからのVerificationには下の情報が記載されています。申請提出から承認までWebsiteには1か月がかかると書かれていたように記憶していますが、私の場合書類不備連絡が数日後に届き、その後2週間程度、書類不備の理由を質問し、先方からEnglsih Proficiency無しで承認するとチャットが来た数日後に承認され、PDFがダウンロード可能になりました。従って結果的に1か月かかりました。
- Date of Issue: DD MMM YYYY
- Unique Reference Number: XXXXXXXXX
- Country of study: Japan
- Qualification title: Master of Engineering in Chemical Engineering
- Awarding Institution: University Name
- Date of award: 03/XXXX
- UK qualification level: Master’s degree
- Verification: checkmark
IELTS for UKVI
2つ目に必要なのは英語要件です。UK Gov.のWebsiteに認められる英語テストと基準がエクセルでダウンロードできますので、確認して受験する英語試験を決めましょう。私の場合、IELTSが最も汎用性があると考えましたので、IELTS for UKVIにしました。UKGov.のWebsiteにはAcademicとGeneralのモジュールには言及がありませんでした。私は当時留学も視野にありましたので、Academicを選びました。
ちなみにIELTS for UKVIで求められる要件は高くありません。勿論個々人の英語力に依りますが、英語要件を恐れることなく、早めに過去問に取り組み、早めに試験を受けることをお勧めします。有効期間は2年間ですので、ビザ申請までに有効期限が来ることは無さそうに思います。
一方IELTS for UKVIでは紙受験かパソコン受験かが選べます。どちらでも好きな方を選べばよいと思いますが、3時間近くお手洗いに行けない環境になりますので、過去問に取り組む段階から、その点留意しておくとよいと思います。
UK Gov. WebsiteからApplication
Ecctisと英語基準をクリアしたら、HPIビザを申請できます。
早速注意点ですが、HPIビザは①オンラインHPI申請(これは単なる紙記入を電子記入にしただけ)の後、②東京あるいは大阪の申請センター訪問(オンラインHPIビザ申請情報がここで正式に提出される)をし、パスポートを手渡して、申請になります。ビザ申請日はオンラインHPI申請した日になります。
ビザ申請が成功すると、パスポートに入国証(Vignette)が張り付けられて戻ってきます。この時vignetteには、このオンラインHPI申請日から90日以内に英国に入国する必要がある期限が記載されています。HPIビザオンライン申請書作成中に、英国到着予定日を記載する項目がありますが、その予定日から90日ではなく、オンライン申請書作成日から90日である、と実体験をもって気づきましたので、この点必ず気を付けてください。
入国をすると在留許可証(BRP)を郵便局で受け取ることになります。この在留許可証があれば、再入国ができると思います。例えば、イギリスでの就職が決まっていないですが、2-3年有効なHPIビザだけ獲得しておきたいから、HPIビザを申請して90日以内に一度入国して在留許可証を受け取ってから日本にまた戻る、といった作戦が有効かどうかは、私はわかりませんので、ご自身のご判断となります。
UK Gov. WebsiteでのApplicationでは、ワーホリネット様のスナップショット付きの紹介ページが非常にわかりやすく、申請中の注意点の記載もあります。私の場合、オンライン申請書提出のあと、申請センター訪問までに、申請書修正の必要がありました。その際のテンプレートもご用意してくださっており、私も活用させて頂きました。皆様も是非ご参照ください。
資金証明
資金証明はどなた様も心配になるところかと思いますので、私が実際に提出して受理されたものをお伝えします。
私は三菱UFJ銀行のEco通帳(インターネット通帳)から取引明細を印刷しました。勘定項目は記載していませんが、ポイントは残高が明記されていること、28日間の資金を証明すること、銀行印は不要だったことです。
また、UK Gov.でのオンライン申請書作成中に、資金証明提出書類を3つの選択肢から選びますが、
- Statements from a personal bank or building society account
- Building society passbook
- Letter from a bank, building society or other recognised financial institution
インターネット通帳の場合はStatements from a personal bank or building society accountが該当しますので注意が必要です。資金証明方法は申請センターで変更することができるかもしれませんが、ビザ審査官の審査が厳しくなる可能性もありますので、細心の注意を払いましょう。この情報もワーホリネット様のWebsiteに記載がありますので、必ず確認してください。
三菱UFJ銀行での残高証明証では、28日間の取引明細がないため、厳密には要件を満たしていません。ビザ申請が成功したブログも見られますが、この点は細心の注意を払う必要があるでしょう。一方で、銀行印は無くても構わない、とUK Gov. Websiteに記載がありますから、インターネット通帳の情報を使用することは全く懸念点にはならないと考えられます。
インターネット通帳をPDF印刷したのち、私はワーホリネット様の翻訳サービスを使用しました。
見積りを行ったあと、メールで上のインターネット通帳のPDFを送付しました。私の体験談では、午前中に送付して、翌日の午前中に英訳成果物の確認依頼が来ました。確認報告をすれば、完成版をダウンロードできるようなリンクを送付してくれます。追加で翻訳証明として、会社印が入った書類も用意してくださいます。したがって凡そ1.5日で資金証明の英訳は完成しました。ビザ申請センターに提出する書類は3点になります。
- インターネット通帳PDF(日本語)
- 第三者翻訳期間の翻訳証明PDF(英語)
- 翻訳された英語版インターネット通帳PDF
支払い
オンライン申請書作成中に支払いをおこなっていきます。
為替の影響もありますが社会保険料と申請料で合計30万円近くの支払いになりますので、覚悟をもって申請を進めていきましょう。支払いが終わりますとビザ申請センターの予約画面に進んでいきます。
東京ではVFSGlobalというビザ申請センターのWebsiteでの予約になりました。
VFS Globalで事前登録しておく書類
VFS GlobalのWebsiteでおこなうことは2点です。
- 申請センター訪問日の予約
- HPIビザ申請のサポートドキュメントの事前登録
サポートドキュメントはHPIビザの場合には、
- 資金証明書類(筆者はオンライン申請でStatements from a personal bank or building society accountを選択した)
- Passport(事前登録する必要なし、当日申請センターに持参で良い)
- Degree, Masters or PhD certificate
の3点になります。
事前登録画面に進みますと、上3点以外にも色々な書類をアップできるようになっていますが、基本的にパスポートを除いた2点を登録すればよろしいと思います。
資金証明(Financial Evidence)は、下で記載した3点です。
- インターネット通帳PDF(日本語)
- 第三者翻訳期間の翻訳証明PDF(英語)
- 翻訳された英語版インターネット通帳PDF
Educational Evidenceでは、基本的にDegree, Masters or PhD certificateを登録すればよろしいですが、Transcript, Certificate, Ecctics, Englsih Scoreなど注記がありましたので、下記4つを登録しました。
- Certificate Master
- Transcript Master
- Ecctis Verification Report
- IELTS for UKVI Score Report
私の場合、オンライン申請書提出後に海外出張があり、海外渡航歴の修正が必要でしたので、ワーホリネット様がご用意してくださった修正テンプレートを参考に作成し、Additiaonal Documentsに登録しました。末尾の署名欄の日付は、ビザ申請センターの訪問日として事前に登録しました。
ビザ申請センター
私は東銀座のビザ申請センターでした。予約の空きは勿論時と場合によると思いますが、私が予約した時は、翌営業日の空きは無しで、翌々営業日の空きは時間帯によってあり、それ以降はどの時間枠でも空いている状況でしたので、ビザ申請センターの予約待ちが律速になることはなさそうという印象を持ちました。
予約時間の15分前に入口前の廊下に並ぶように指示があり、並んでいる順に中に呼ばれます。注意点ですが、紙及び現物を持参すべき書類が3点あります。
- チェックリスト(オンライン申請完了時にダウンロード可能)
- ビザ申請センター予約表(事前登録書類が記載される。登録書類変更すると予約表も修正されるので、最新のものかどうか確認すること)
- パスポート
申請センターの目の前にコンビニがありますが、当日持参資料は入念に確認するようにしましょう。
私は09:15の予約でしたので09:00に受付開始の呼び出しがありました。チェックリストと予約表とパスポートを提出してボディチェックを受けます。事前登録の他に、当日追加資料の有無を聞かれます。もしある場合には追加料金を払うことで登録ができます。
受付番号をもらって待合室のソファーで5分ほど待つと、窓口で申請手続きになります。事前登録資料の数の確認(中身の確認はありません)、追加登録資料の有無の確認(この窓口以降追加できません)、パスポートを提出することになりますがその受け取り方法(申請センターでの受取 or 玄関先受取レターパック)を選びます。私は直接受け取るつもりでしたが、AM08:00~AM10:00までの短い時間枠でしたので、予定を変更してレターパックとして現地クレジットカード払いしました。
ちなみに私は事前登録の時点でSMSサービスを追加しておきました。ビザ申請の要所要所の関所通過段階でメール連絡を受け取れるサービスで、一般的な承認までの15-21営業日音沙汰無しのまま待つのは心配になるだろうと思ったので注文しました。
係員がパソコンで書類登録をする5-10分は先ほどの待合室のソファーで待ちます。登録が終わると再度呼ばれて書類一式とパスポートが入った大きなジップ付袋を渡されて、次の指紋採取手続きの案内をされます。ここまでで09:30でした。指紋採取は別の小部屋で行います。写真撮影と指紋採取を行うだけですので5分程度で終わります。終わると今日の手続きは終わりですと言われ、申請センターを退出します。私は09:40に申請センターをあとにしました。
ビザ申請成功連絡受領
SMSサービスを登録していましたので、申請センター訪問翌日に書類が受領されましたという1本目のメールが届きました。そして驚いたことに、申請日含め3営業日で申請がオフィスにDispatchされたという連絡が届き、5営業日で申請成功メールが届きました。そして申請成功メールが届いた同日に郵送でパスポートが自宅に届きました。元々15-21営業日での申請成功を想定していたため非常に驚きでしたが、早いことは嬉しいことです。パスポートに張り付けられたVignetteを眺め、これにてHPIビザ申請終了になります。
ビザ取得までにかかる費用
覚えている範囲の費用を下に記します。
- Ecctis申請 ¥34,000程度
- IELTS for UKVI ¥29,400
- Finantial Statements翻訳サービス ¥3,500
- Immigration health surcharge ¥210,000程度
- HPIビザ申請料 ¥120,000程度
- パスポート郵送+SMSサービス ¥2,100程度
合計¥399,000程度であり40万円程度が必要でした。大学への卒業証明書手配やSyllabusの英訳が必要になると追加での費用が見込まれるでしょう。
ビザ取得までにかかる日数
私の場合Ecctis取得からHPIビザ申請まで日数が空きましたが、まずIELTSを1か月程度で準備凡そEcctisの申請に1か月を見込み、承認待ちの間でIELTSを受験し、Ecctisが通過したらHPIビザ申請に進み、承認まで1か月を見込んでおけば、よいかと思うので、最短で2か月程でVignette獲得まで到達できるのではないかと思います。
終わりに
最後まで目を通して頂きありがとうございました。私がこのHPIビザを申請した段階では実体験を詳細に記載したブログはありませんでしたが、このHPIビザは多くの優秀な卒業生が英国で活躍できる可能性を秘めていますので、是非このブログも参考にしていただきながら、申請を成功させてほしいと切に願っています。中々チャレンジングなビザ申請だと私も体験を通じて感じていますが、応援していますので頑張ってください。