こんにちは。かみやです。イギリスでの新しい挑戦から1年が過ぎています。
私の目標は、このブログのタイトルの通り、国外企業のProject Mangerになることです。
この度、イギリスでSponcership付きのOfferを頂くことができましたので、転職活動開始から終了までを全て書きます。
イギリスに来ることを検討されている方、イギリスで就職活動を検討されている方の参考になれば幸いです。
全体概要
まず、私の今回の結果を端的にご紹介します。
- 日系でなくイギリス企業
- 採用Position:Project Engineer
- 転職活動期間:11月~翌年3月中旬(最初のCV提出~OfferのAcceptance)
- CV提出数:88
- CVスクリーニング突破数:5
- Offer獲得数:1
CVスクリーニング突破したもので敗退した4つは以下の通りでした。
そして、Offerを頂いた企業は、
- 3月上旬HRとのIntroductory call
- 2日後HRとのTELにて面接日時設定
- 3月中旬Line Manager & DirectorとのTeams面接
- 2日後HRからOffer受領
という流れで、面接は1回で、Introductory callからOfferまで2週間でした。
準備
ここからは、私が活動に際して行った、もしくは、検討した事について記載します。
進捗エクセル作成
多くのCVを準備し提出していると、進捗がわからなくなってしまうため、全てのCV状況がわかるエクセルを用意しました。
記載した内容は、下の通りにしました。
Company / Title / Password / CV締切日 / CV提出日 / Status / 求人Reference番号 / Note
後から総活動時間を振り返れるように、CV準備時間の列も用意しましたが私には機能しませんでした。
同じ企業から同じ職種の求人が出ることが多いので、求人Reference番号は控えるようにしましょう。また、求人終了すると募集要項(Job Description)も見れなくなるので、必ずWeb pageをPDF印刷して手元に保存しておくようにしましょう。
CV作成
CVの作り方については悩まれる方が多いと思います。私もそうでした。インターネット上には多くの見本や解説動画があったりします。参考にすればするほど迷走していってしまうので、まずは世にある見本を参考にして自分なりに作ってみましょう。
ある程度の期間CVを提出してみて、CVスクリーニングを通過できていれば今のCVでOK、できていないのであればCVの改善の余地あり、と判断してはいかがでしょうか。
- 11月初版
30枚程度CV提出。CVスクリーニング通過は1枚。
- 1月改定1回目
改定後30枚程度CV提出。CVスクリーニング通過は0枚。
- 2月改定2回目
改定後30枚程度CV提出。改定後CVスクリーニング通過は4枚。
- 3月Offer獲得
私は2回、CVの様式を変更しました。11月に最初のCVを作成しました。最初の面接は一緒に働いた経験のある方の会社で顔見知り枠CV通過でした。ですので、11月から3か月間、30枚程度出しましたがCVスクリーニングを通過できませんでした。
そこで1月にCVを大きく変更してみました。変更点を挙げてみます。
- CV枚数:2枚 ->1枚
- Objective:一番最初 ->削除(Cover Letterで十分と判断)
- 職歴:どの求人も同じ職歴記載 ->求人に関係のないものは書かない
- 学歴:指導教官、論文テーマの削除
- 使用できる言語:削除
- ヘッダー:スーツを着た時の顔写真追加
CVについて、1枚完成形を作成して、それを全ての企業に使用されたい、と考えらえる方もおられるでしょうが、その考えは止めた方がよいでしょう。恐らく、それができるのは、一部の限られた輝かしい職歴を持つ人材だけだと思います。
私の場合、希望職種は3つでした。希望職種によって3つのTemplateを作りつつも、Job Descriptionによって微修正はして提出しました。関係のない業務内容がある場合には、空白の期間ができても構わないと思います。CVの職歴記載はそういうものと理解しています。
しかし、2月中旬まで30枚程度追加で提出しましたが、1つもCVスクリーニングは通りませんでした。
そこで再度CVを変更しました。変更点は下になります。
- CVの余白:普通 ->とても狭く(内容の充実化)
- 色味:黒1色 ->見出しと本文で色を変える。(見出しは紺、本文は灰色。)
この2回目の変更をしたところ、数日で2枚のCVのスクリーニングが通過。1週間後に更に2社のスクリーニングが通過したため、今のCVであれば市場で戦えそうだ、と判断しました。
以上が、私のCV変遷です。画像付でご紹介したいところですが、ご容赦ください。
また、Cover Letterは必ず書きましょう。こちらも1枚ものの完成形では意味を成しません。時間はかかりますが、希望職種に併せて幾つかのパターンを作っておき、馴染みのある企業や関わりがあった企業についてはその経験を肉付けするようなイメージです。
LinkedIn Premium入会
私の求人検索場所は、LinkedIn、のみでした。
WebsiteでLinkedinに求人を掲載しているHRにDMを送るとCV通過確率が上がると聞いたので、Linkedin Premiumに入会して、試してみました。
私の実体験では、1度しか返信なく、その1度もスクリーニングは通過しなかったため、HRへのDMは成功しませんでした。
一方で、Linkein Premiumが提供する、応募者数に加えた、応募者のラフな学歴や経験を得られる機能が良かったです。自分が興味のある求人でも、シニア経験やMBA保持者などが応募している場合、選考が進むのは難しいだろうと予想することもできました。
LinkedIn Premiumをお勧めするかどうか聞かれたならば、より多くの情報を収集し、自分の現在のポジションの把握に役立つ、という観点で短期的に活用することはアリだと思います。
Introductory call
イギリスではCVスクリーニングが通るとHRから15分程度の電話を打診されることがあります。これがIntroductory callです。同じ内容をMailで聞いてきた企業もありました。
Introductory callはビデオ通話ではないので、その特徴として、原稿を読めること、手元資料を準備できること、があるでしょう。私の経験したIntroductory callでは、
- 志望動機
- 希望年収
- ビザ状況
- 周りの人からどう評価されるか
といった内容が聞かれました。その企業にApplyした際に、
- イギリスで(今)働けるビザを持っている
- 希望年収£36,000
としていたため、電話の中で、Skilled Worker Visaが今後必要になるため£38,700より高い給料が必要になる、と伝えたところ、”No Problem!”と言ってくれましたが、その企業からお祈りのMailが来たのはその2か月後のことでした。(翌週に連絡する、と言われましたが連絡が来たのは2か月後でした)
Offer企業とのIntroductory Callでは、Line Managerが私に興味があるとのことで、面接を実施して頂けるベースで話が進み、HR観点から希望給与とビザ状況の話になりました。最初からスポンサーシップは出せるだろうと言ってくれたので、安心して話が進められました。
これらが、私が経験したIntroductory Callでした。
面接
CVが通過しIntroductory Callも通過したら、いよいよ面接です。ここでは私が経験した3つの面接から、流れと対策について述べたいと思います。
第1社目:一次面接敗退
この会社は一次面接の前にTeamsリンクとアジェンダをMailで送付してくるタイプでした。
アジェンダは次の通り。(一部変更)
- Discussion of previous history, CV.
- Describe experience in relation to the implementation of a ABC System.
- Understanding of DEF principles
- Discuss experience in terms of GHI tasks.
- Involvement with JKL systems.
始めてのMail面接だったため、全て原稿を作って、当日は画面に映しながら話す作戦にしました。Wordで原稿を作成して、原稿を読む際に目線が水平に行ったり来たりしないように、「段落」タブからインデントを「左7字右20字」に設定し、文章を短冊状にして、カメラに近い所でスクロールするようにして音読する練習をしました。
結果的に、この方法は失敗だったと考えています。
理由は例えば、
- 面接者のビデオが見れなくなり、相手のリアクションに合わせた説明ができなくなる
- 原稿が用意してある質問と、用意していない質問に対して、回答の質、文法に大きな差が生じる。
この会社のLiine Managerは顔見知りでしたが、翌日午前中にお祈りメールが来ました。
面接でのLine ManagerとHRは非常に友好的で、面接の終わりにSpeak to you soon. See you soon.と言ってくれましたが、この挨拶は面接の成功を暗示している訳ではないので、意味をそのまま取るのはやめましょうね。
第4社目:一次面接敗退
前回の面接からの反省は、
面接は対話であり、原稿を読むのはよろしくない
ということであり、以下の各想定質問に対して2分間の原稿を用意して暗記しました。
各想定質問には、以下のような骨子で回答を準備しました。
実際にできた回答案の音読練習と、暗唱練習をしている際に、2分の原稿は長いと感じました。各想定質問に既に2つ回答骨子を用意しているものの、実際に回答するものは1つに絞ることにしました。他には?と聞かれた際に別の回答骨子が使えるため、2つ目を用意したことは無駄にはなりません。
先に述べたように、面接は対話であるべきなので、回答骨子は端的に1つとし、回答時間は1分程度にとどめ、相手からのリアクションや追加質問に対応する練習を心掛けましょう。
この企業は不採用となりました。原因は、企業側が求めていた、あるプロジェクトフェーズの経験が無かった事が一番大きいと感じますが、テクニカルな質問に対して十分な回答ができなかった事も大きかったと思います。
職歴経験は変えられませんが、面接経験は増やすことができます。次回の面接で同じ質問が来た時により良い回答ができるように、想定質問リストに追加し、Wordで原稿を後日作成しました。
この会社からは面接の最後に、来週も候補者と面接があるから、来週か10営業日以内に連絡する、と説明がありましたが、実際には2か月後にMailにて不採用通知が来たため、先ほどのSee you soon.と同じで、あまり信じすぎなくて良いと思いました。
第5社目:Offer獲得
この面接は、ラインマネジャーと部長の2人の面談でした。最初に面接官の自己紹介があった後、自分の経歴について自己紹介をしました。
この会社の別のProject EngineerにApplyした所、その枠ではCVスクリーニングに通過しなかったが、私のCVがあるHRの目に留まり、面接官であるDirectorの元に直接届けられ、面接に至った経緯を聞きました。
面接官の役割として、事前話合いがあったかわかりませんが、Directorは今のプロジェクト内容、今後のキャリア展望など私の将来的な事に関する質問をし、Line ManagerがProject Engineerとしてのテクニカルな内容について質問する、という布陣でした。
これまで受けてきた面接よりも深いテクニカル質問が多かったため、全ての質問に上手く回答できた訳ではありませんでした。それでも、幾つかの質問では、これまでの経験から培ってきた、プロジェクト、に対する自分の信念を強く論理的に話す事ができ、納得してもらえたのではないか、と感じました。
中小企業診断士試験の財務会計を勉強しましたが、英語でGross margin =粗利益という言葉を聞いたことが無かったため、質問に答えられないものもありましたが、そこはある程度多めに見てもらっていたかもしれません。
1時間という面接の中で、自分のプロジェクトの経験とプロジェクトについての考え方を全力で伝えました結果、翌日にHRを通してOfferを頂くことができました。
給与交渉
木曜日の面接の後、翌日金曜日に給与を含めたOfferを貰いました。
日本人は給与交渉をしないとよく言われますが、何事も経験なので、今回は給与交渉をしました。
給与レンジですが、GlassdoorとIndeedのWebsiteにて、自分の職種を調べて相場を把握しました。それと自分の希望給与を比較し、相場内だったため、最低希望金額に希望給与を記載しました。
給与幅を提示し譲歩できる最低給与を提示すれば、企業側は最低給与でOfferを出すはずです。したがってOfferを受けられる給与金額を最低給与に書くこと、これを忘れてはいけません。私は今の給与より10%上げた給与が相場内であったため、その金額を最低希望にして、£5k程度の幅を持たせました。
結果、私の最低希望金額を達成することはできませんでした。面接でテクニカルな質問に完全に答えられないものもあったため、私の実力を様子見したい、という考えがあるのだろう、と理解し、会社側の判断は自分なりに納得しています。今の給与に家賃1か月分程度加えた程度の増加でしたが、むしろ給与交渉に応じて頂けた柔軟な対応に感謝したい所です。私は、Offerを頂いた会社で、提示された給与で働けることで満足していたので、更なる交渉はせず、頂いたOfferを受けることを伝えました。
以上、給与交渉でした。
さいごに
以上、転職活動開始からOfferの受諾(Acceptance)までの流れをお伝えしました。
11月から5か月に渡る転職活動でしたが、3月に会社が決まるまで、先が見えず不安な日々が続きました。しかし、自分ができることは、CVや面接準備を一社一社丁寧に準備し、チャンスを待つことですので、限られた自由時間の中でも、時間をうまく活用することで、チャンスの数と幅を広げていくことが大切かと思います。そして、転職活動はある程度時間がかかるので、1年以上ビザの時間的猶予がある頃から始めることで心理的安心感も持つことも重要かと思います。
次の記事では、イギリスで身元調査(Background Check)を受けた記事を書きます。この手続が煩雑で大変だったので、今後の参考になればと思います。そちらも是非ご参考になさってください。
それでは!