日頃からエンジニアリング業界で働くかみやです。イギリスでは、Business Case や Safety Case のように “Case” が付く用語が多く使われます。事業評価計画?安全性評価書?日本語だとケーススタディといった言葉のように、事例という意味でCaseが使われることも多いですよね。
日本語に訳そうとすると意味がつかみにくいと感じたため、今回の記事では Case = 正当性を論証する文書 という本質から調べたことを整理します。ぜひ参考にしてください。
イギリスにおける “Case” の基本概念とは?
Case は「正当性を体系的に示した文書」
イギリスでいう “Case” は、以下のように理解すると最も自然です。
- ある行動・計画・システムが妥当であることを論証する文書
- 主張(Claim)に対して、証拠(evidence)と論理(argument)で正当性を示す資料
単なる「報告書」ではなく、承認や意思決定のための論証文書 という立ち位置がポイント。
日本ではあまり見られない文化的背景
イギリスは政府も産業も「Evidence-based decision making(証拠に基づく意思決定)」が根付いているため、Case文書が制度上も文化上も重視されます。
Business Case(ビジネスケース)の意味と訳し方
日本語でどう理解する?
ビジネスケースの自然な訳・理解は以下が近いです:
- 事業の妥当性を示す文書
- 投資判断の根拠書
- 事業成立性評価書
Business Case の内容
典型的には以下を包括します:
- プロジェクトが必要な理由
- 期待される価値(Value for Money)
- リスク評価
- 財務的分析
- 代替案との比較
イギリス政府では UK Treasury の Five Case Model(Strategic/Economic/Commercial/Financial/Management)が標準、らしい。
Safety Case(セーフティケース)の意味と訳し方
日本語でどう理解する?
- 安全性を論証する文書
- 安全性保証文書
- 安全の妥当性評価書
と理解すると最も近い。
Safety Case が必要な分野
高ハザード産業では必須:
- 原子力
- 鉄道
- 航空
- 石油・ガス
- 化学産業
Safety Case の内容
- システムが安全である証拠
- リスク評価と対策
- 事故防止策
- 運用・保守の安全性
論証構造は Goal Structuring Notation (GSN) がよく使われる、らしい。
なぜイギリスでは “Case” が重要なのか?
文化的理由:論証と証拠重視の国
イギリスでは、「論証(Argument)」と「証拠(Evidence)」で意思決定を行う文化が強い。
そのため、Caseは「承認プロセスの核」として制度化されている。
まとめ:Case の最適な理解
イギリスで使われる Case = “妥当性を示す論証文書”
これでほとんどの Case 用語を自然に理解できます。
代表例
- Business Case → 事業の妥当性を論証した文書
- Safety Case → 安全性を論証した文書
- Investment Case → 投資根拠文書
- Technical Case → 技術的妥当性の論証書
